ブロガーやインフルエンサーになることはコスパが悪い?別の意味での「有名税」について考える

オピニオン

こんにちは、藪内です。

 

僕は、SNS等のプラットフォームに依存しない方法でビジネスを続けているのですが、長年続けているSNS(特にTwitter)を見ていると、「ブロガー」であったり「インフルエンサー」という生き方(肩書き?)がブームになっているというか、市民権を得つつあるように見受けられます。

 

今回はこのことについて、思うことを書き綴っていきたいと思います。

 

「インフルエンサー」のセミナー料が激安で驚いた

誰かのリツイートが回ってきたのか、それとも自分でTwitterの中を検索していて出てきたのか、記憶が定かでないのですが、SNS(特にTwitter)で声の大きな「有名人」(=インフルエンサー)がセミナーをします、という告知が出ていたので、興味半分で覗いてみたんです。

 

すると…

 

リンク先を見て驚きましたが、なんと参加費が「1000円」とか「3000円」なんですよね。

 

僕が告知を見た時には、既にセミナーは終わっていたようで、満員御礼の大盛況、ということだったようですが、仮に30人参加だとして、1000円/人であれば3万円、3000円/人であれば9万円。

 

1日(実質半日ほど?)のイベントでこれだけの売上を立てることができれば万々歳、と見ることもできますが、セミナー会場を借りたり、撮影クルーが入ることも考えれば、3万円だと余裕で赤字、9万円でも、会場にもよりますがギリギリ赤字、よくてトントンではないでしょうか。

 

ちなみに、僕もセミナーは何度かしたことがありますが、会場代で2万円ほどかかりましたし、撮影+編集で5~7万円くらいかかりました。上の料金でやっていたら普通に赤字なのでやってられません(苦笑)

 

「フリーランスは安値で買い叩かれないように」すべきだけれど

案外、上のような「薄給」でイベントを開催している「ブロガー」や「インフルエンサー」の方は、「フリーランス礼賛」のようなポジショントークを取って教祖ビジネスを展開し、信者からお金を巻き上げることで収益モデルを確立している一面があります(もちろん、他にも収益の柱はいくつか持っていることでしょう)。

 

ただ、フリーランスの「ブロガー」や「インフルエンサー」が常々ブログで発信しているメッセージには、「取引先から買い叩かれないようにしよう」みたいなのもあるはずなんですよ。

 

僕の場合、翻訳をメインの事業として行っていますが、ワード単価1円や2円の、クラウドソーシングサイト経由での仕事や在宅ワークサイトを介しての仕事は、はっきり言って「買い叩き」のわかりやすい例で、こういう仕事をする意味は(本当にお金に困っていて、かつCVを更新するための実績が欲しい場合を除いて)ありません。

 

僕も、こういう「買い叩き」の仕事は、駆け出しの本当に最初の頃に何度か経験したことがありますが、正直言って、1円~2円/ワードで仕事を受けるくらいなら、アルバイトをして残りの時間を勉強とレベルアップに使った方が、よっぽど建設的ですし効率的です。

 

だから、僕も「フリーランスは買い叩かれないように、レベルを上げましょう」ということは常々言っていますし自分も取り組んでいるのですが、じゃあ翻って、上で例に挙げた「セミナー参加費1000円の自称ブロガー/インフルエンサー」はどうなの?っていう話になるわけでして。

 

僕の意見を言えば、セミナーを数千円で開催しているフリーランサーの皆さんは、所詮その程度なんだろうなって思います。というか、単価安すぎなんですよ。僕だったらその10倍以上の値段設定にして、少数の参加者に良質なコンテンツを届けてセミナーの満足度を高めますね。

 

SNSではキラキラしていて、傍から見ると「成功者」のように見えるああいう人たちですが、セミナー料金の設定を見ていると「ずっこけているな」と思います(というか、本人はずっこけていることすら気づいていないでしょうね)。

 

ただ、ここで考えてみたいのは、果たしてああいうフリーランサー/ブロガー/インフルエンサーの皆さんが、参加費を10倍(例えば1万円や3万円)にしたところで、集客ができるのか?という疑問が、個人的にはあります。

 

これについて、続けて僕なりの意見をまとめていきましょう。

 

インフルエンサーのビジネスモデルを考える

インフルエンサー、というよりはもっと広く「ブロガー」にも当てはまることなんですが、彼らは基本的に「個人」をお客さんにしているわけです。

 

ブロガーであれば、広告を貼り付ける、アフィリエイトリンクを踏んでもらって購入してもらう、のように、ザックリと言えば、収益性は「読者数の多さ」に比例します(これに、コアなファンがどれだけいるか、という要素も関係はするのですが)。

 

つまり、彼らの戦略というのは、多くのフォロワーを抱えて、ブログのPVを増やして、できるだけ多くのアクセスを稼いでそこから収益を発生させる、という、「できるだけ自分の領土を広げて行く」戦略になるわけです。

 

そうすれば、広告のクリック数やアフィリエイトの制約数、有料noteの購入数など、1件当たりの単価は低くても「数でカバーする」ことで、全体の収益はアップすることができます。

 

1000円のセミナーでも、30人集まれば3万円、100人集まれば30万円です。

 

「数は正義」という感覚、というより考え方ですね。

 

 

ただ、この「1人当たりの購買単価の低さを数でカバーする」という戦略は、じっくり考えてみると、そこまで賢い戦略ではありません。

 

まず、そもそもインフルエンサーになる(多くの人に知ってもらって知名度を上げて、プチ有名人ポジションを取る)には、人海戦術をある程度使わないといけません。オピニオンリーダーが集まるオンラインメディアに寄稿をするとか、エッジの利いた(そして必ずしも、知的興奮を覚えるわけではない)コンテンツを配信「し続ける」必要があるわけです。

 

つまり、「有名人」になって、ある程度のボリュームで集客(ブログのアクセス増加など)に繋げる、というスキームを採る必要があります。

 

もちろん、有名になれば様々な機会に声をかけてもらったり、より多くの人と繋がることができたりすることが可能です。

 

しかし、有名になるということは、噂話も広がりますし、何よりも、集客をするための告知などが多くのフォロワーに「広く」拡散してしまいます。

 

そんなこと当たり前じゃないか、と言われそうですが、この「広く拡散してしまう」というのが、実は諸刃の剣なのです。

 

万人受けする内容は平均的なものになる

「より多くの人に拡散する」ということは、集客をするにしても「自分の考えや価値観を理解してもらう人の最大公約数を探す」作業に他なりません。

 

ただ、より多くの人に広まって、更に共感してもらう(課金してもらう)のであれば、どうしても「より多くの人の最大公約数を集める」ことになってしまって、当たり障りのないコンテンツしか生み出すことができません。

 

実はこれが一種のジレンマで、インフルエンサー当人としては「1人当たりの購買単価を高くしたい(=セミナー料金やオンラインコンテンツの値段を10倍にしたい)」と考えていても、それだけ値上げをしてしまうと「フォロワー」が減ってしまうので、当人としてはやりづらいのです。

 

もちろんこれには他の要因があって、Twitter等の「無料SNSプラットフォーム(ユーザーは無料でそのツールを使うことができるプラットフォーム)」においては、ユーザーの価値判断や価値認識がそこまで高くない、ということです。

さすがに、Twitterでいきなり「半日セミナー3万円」なんて告知が出てきたら、多くの方が引いてしまうんじゃないでしょうか。

 

 

つまり、インフルエンサーやブロガーの頭が、「多くのフォロワーがいて、多くの集客をできることが正義」という、言わば「重厚長大型」の発想で埋め尽くされてしまっている(というよりも、少額課金×母数をできるだけ増やす、というスキームとしか、かれらのビジネスモデルは適合性がない)のが原因なのです。

 

ただもちろん、ビジネスモデルとしては他の方法(少数の、本当のコアなファンを相手に適正価格でコンテンツを提供する、という方法)も取ろうと思えば、できるわけです。

 

しかし、そういう「購買単価を高める」ことに取り組むのであれば、SNSのような「バスや拡散」が前提の世界ではなく、メルマガなどの「クローズド」(第三者からは見えない)世界で、しっかりと相手に向き合って価値提供をしていく必要があります。

 

逆に言えば、そういう世界を知っていれば、SNSのフォロワー至上主義やメルマガ読者数至上主義、ブログPV数至上主義という「重厚長大型」以外の戦い方で、十分に結果は残すことができるわけですけれど。

 

SNS起業系が逃れられない「有名税」

そういう意味では、「PV数が多い」「フォロワー数が多い」といった、SNSでは一見キラキラ見える起業クラスターの皆さんは、(プチ)有名になることと引き換えに、重い重い「有名税」を課されてしまっている、と見ることもできます。

 

本来、有名税というのは「有名であるが故に根も葉もない噂が立てられて被害を受ける、あるいは出費がかさむ」ことを意味する言葉です。

しかし、SNS界隈でプチ有名になってしまったが故に、普段の事業の購買単価を「適正」に保つことすらできなくなっている人たちを見ると、「課金力が失われてしまう」と言う意味での「有名税」が、彼らには課されてしまったのではないかと、個人的には思うのです。

 

これから僕が、新しく自営業で何かを始める場合でも、恐らく「有名になる」方法で事業を進めることはしていかないでしょう。

 

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