本当に優秀なフリーランスはベルリンに絶対行かない

海外生活

こんにちは、藪内です。

 

数年前に、「ベルリンでフリーランス」というライフスタイルが流行して、日本人はもちろん、世界各地(特にヨーロッパやアメリカ)からも、フリーランスがわんさか集まってきたみたいでして。

 

SNSを主戦場とする「インフルエンサー」「ブロガー」「フリーランサー」という肩書きを持った人たちも、2014年くらいから「ベルリンはフリーランスをするのにとても魅力的な街! 日本で会社員で消耗するのをやめて、ベルリンで質の高い人生を送ろう!」みたいな売り文句と共に、「いかにベルリンでフリーランスをすることが素晴らしいか」を説く人たちが増えました。

 

僕は仕事柄、あまりこういう人たちの発信を目にすることはないのですが、そうは言っても「インフルエンサー」だけあって、リツイートとかで情報が流れてくるわけでして(笑)

 

時々、情報収集や発信者のステージ(レベル)の高さをざっくりと確認するために、そういうブログ記事には目を通すことがあるんですよ。

 

ただ、ざっと見た印象では、「別にベルリンでフリーランスをしなくてもなあ」と僕は思いました。

 

そもそも、何のためにベルリンでフリーランスをするのか

「ベルリンでフリーランス」というのは、一見自由なライフスタイルの魅力を提示しているように見えて、実は二重の意味での「不自由さ」が伴っています。

 

1つ目は「ベルリン」という、街(場所)の縛りで、2つ目は「フリーランサー」という職種(というよりは仕事の仕方/肩書き)の縛りです。

 

2つ目の縛りは、「フリーランサー」という枠の中で様々な職種が存在するので、そこまでの制限(不自由さ)はないように見えますが、よく目を凝らしてみると、「ベルリンでフリーランスをしよう」と謳っている方々の多くが、

・日本語で情報発信をして

・利用人口がそこまで多くないSNS(もといTwitter)を主戦場にしていて

・ブログにアクセスを集める、炎上商法を用いる、あるいは「移住促進ビジネス」に取り組んでいる

といったように、「自由の表現方法」が実は案外「不自由」なのが、実際のところです。

 

ただ、こんな風な発信の偏り(自由の表現の不自由さ)が生じてしまうのは、致し方ないことだとも思います。

 

というのも、そもそも「ベルリンでフリーランス」ができる大きな理由には

・ベルリンではフリーランスビザの取得が容易で

・他のヨーロッパ諸都市(と言うより、西欧諸国とユーロ圏)よりも物価が安い

・ドイツの中でも多文化・多様性の寛容に優れている

という3つの理由が挙げられます。

 

つまり、ベルリンでフリーランスができる理由は

・長期の居住許可を取るのが比較的簡単

・支出の負担が少ない

・異国/異文化からの人や思想を受け入れる体制が整っている

からに他ならない、とも言えるわけです。

 

さて、ここで湧いてくる疑問に、

「そもそも海外でフリーランスをするのに、上の3つの条件を満たす必要はあるのか」

というものがあります。

 

というのも、本当にフリーランスとして頭が切れて仕事ができるのであれば、住みたい街があるとして、その街やその国の顧客を新しく開拓すれば、「フリーランスビザ」は取れる可能性だってありますし、しっかりと事業を回していれば、「物価が安い」ことにこだわる必要だって、そこまでないわけです(物価が高い所でも住める、というよりは、物価が安くなくてもダメージは少ないから、他の街でも暮らせる可能性が高い、という意味です)。

 

そして、3番目の要素は、価値観の違いの問題に帰結すると思いますが、「そこまで多文化を受け入れる土壌じゃなくても、暮らせるところで暮らしたい」という人だっていると思うんです。

(僕なんかはまさにそうで、仕事で街を歩き回ることも少ないし、そもそも色んなバックグラウンドを持つ人が「るつぼ」のようにごちゃ混ぜに混じり合う「グローバル」な世界よりも、その国や地域の人が集まる「ローカル」な環境のほうが好きですし、合っています)

 

つまり、「ベルリンでフリーランスをする」っていうのが、「自分の住みたい街で住む」「海外生活を実現する」「多様なバックグラウンドを持つ人たちと交流して自分の見聞を広げる」といったような理由であればいいのですが、「ビザが取りやすい」「物価が安い」といったように、消極的理由で選んでしまうのは、「手段と目的の履き違え」になってしまうので、あまりよろしくないんじゃないかな、とも言えるわけです。

 

声の大きい人たちに、魅力的な「メンター」はいますか?

もしあなたが、これから「ベルリンでフリーランスをしよう」と思っているのであれば、一度冷静に頭を冷やして考えて頂きたいのです。

そもそも「ベルリンでフリーランス」をやっている、声の大きい情報発信者に「この人ってかっこいいなあ」と思える人はいますか?

 

SNS(表)ではキラキラしている、イケているように見えても、ブログをさかのぼって検索してみると、実は残念な考え方を持っていることが分かってしまうことだってあるわけです。

 

そもそも、日本が嫌いだから海外に出たのに、ずっと日本に向けて吠え続けている、何歳になっても自己承認欲求を満たせないような人だったり、

コネ無し金無しスキル無しで渡航した後、ブログで「仕事を下さい!」なんていう、「それは海外フリーランスじゃなくてタダの乞食でしょ!」って思ってしまう、残念な発信をしてしまっている人だったり、

 

あなたが、本当に「真贋の区別がつく目」をお持ちなのであれば、そういう「違和感」に気づくのは、そこまで難しいことではないはずです。

(あと、ベルリンでフリーランスをやっている人が、どんな方法で、どんな仕事で収入を得て、どれくらい稼げていて、その方法に再現性はあるのか(あなたでも取り組めそうなことなのか)ということも、調べてみるといいと思います)

 

かくいう僕は、数年前にベルリンに「視察」も兼ねて旅行をして、実際にフリーランスの方とも話をしました。が、思ったほどカッコいい人たちはいなくて、「別に、今からベルリンに移住をしても、こっちの「日本人村」の餌食になってしまうなあ」と思ったので、自分が住んでみたい別の国で住んでみよう、と決めました。

 

 

海外生活は目的ではなく手段。それが分かれば最適解を探そう

あなたが本当にしたいことは、実は「ベルリンでフリーランス」ではないのかもしれません。

というより、本当にしたいことがそれなら、ノマド状態でヨーロッパを旅行して、1週間くらいベルリンに滞在すればいいのです。

 

上にも書きましたが、そもそも本当に優秀なフリーランスであれば、「ビザが取りやすい」とか「物価が安い」とか、そんな理由で国や街を選びませんし、もっと言うと「フリーランス」というスタイルにすらこだわらないでしょう(起業をするとか、学生ビザでとりあえず入るとか、ワーホリを使うとか、手に職を活かして就職をするとか)。

 

あなたが本当に大切にしていること、実現したいことは、肩書きや場所に縛られて自分の貴重な人生の数年を消費することではないはずです。

その「本当に大切で実現したいこと」が分かれば、その方法を実現するためにどんな手段でどうやって実現するのか?を考えて、トライアンドエラーを繰り返して取り組んでいけばいいのです。

 

海外生活は、何もそれ自体が目的ではなく、手段であるはずです。そこをはっきりとさせて、あなたにとって最適の方法で、その奥に秘めたものを形にして下さい。

 

 

※この記事に関連した内容で、僕の考えをこちらの記事でまとめています(別ブログ)。合わせてご覧下さい。

 

「物価が安い」ことを理由に海外に出る人と付き合ってはいけない理由 | Poland Life/東欧見聞録
このブログは、基本的にヨーロッパの生活・旅行情報ブログを客観的にまとめているものなのですが、ときどき、自分の意見をまとめた主観的な記事を差し挟むようにしています。 そして今回は、そんな「貴重な」記事を書くことにしました。 さて、このブログで一番読まれているオピニオン記事と言えば、2017年の秋に書いたこちらの記事です。...

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