ヨーロッパで海外フリーランスをするのに、ひと月どれくらい稼げればいいのか

この記事は7分で読めます

こんにちは、藪内です。

 

海外でフリーランスをすることのハードルが、ここ数年下がってきているようです。

というのも、もともと「海外でフリーランスをする」には、現地のクライアント確保しないといけなかったり、現地でコネを作って人を紹介してもらったり、という、泥臭い方法を取る必要があることが多く、「海外でフリーランスをする」というのは、どちらかと言えば「国際結婚をした後で、自分のキャリアを続けていきたい」といったような考えをお持ちの方が取る、ワークスタイルの傾向が強かったです(現地での観光ガイドとか)。

 

ただ、最近はインターネットを介して仕事を確保したり(クラウドソーシングサイト)、インターネットを使って半自動的に収益を上げることができたり(アフィリエイトやアドセンス)するようになって、ある程度のベースラインの収入を日本(とのやりとり)で確保することができれば、そこまで海外でフリーランスをする(というより名乗る)ことは、難しくなくなりました。

 

ただ、よく言われるように、日本の場合、フリーランスの年収と、会社員の年収の価値は等しくなくて、一般的にはフリーランスの年収のナナガケが会社員の年収に等しい、と言われています。つまり、フリーランスで年収500万円あるとすれば、保険料や他の税金の負担を考えると、この金額は会社員で年収350万円に相当する、ということです。

 

この考え方は、国がどこであれ、「フリーランスをする」のであれば変わることはないでしょう。というのも、会社勤めをしている場合であれば、家賃補助や通勤費の負担、社内食堂の利用や各種割引券の配付等、様々な「福利厚生」が付くことが普通なので、仮に手取りで月収30万円だとしても、諸々の費用を会社が負担してくれている、給料以上のサービスを利用することができると考えれば、実際には40万円~50万円ほどの月収があるようなものなのです。

 

裏返すと、「フリーランス」をするためには、これらの「会社が負担してくれている費用」も、基本的に全て自分で賄う必要が出てきます。

 

月いくら稼げれば、ヨーロッパでフリーランスはできる?

20代から日本でフリーランスを目指す場合、1つの基準になるのは「新卒の月給を超えること」、つまり20万円を超える収入をフリーランスとして稼ぐことが、1つの通過地点になると思います。

もちろん、「20万円」だけだと、保険料の負担や家賃負担を会社がしてくれている分、フリーランスは不利(可処分的には)なので、貪欲に1.5倍の30万円くらいは稼ぎたいところです。

 

つまり、20代で大学を卒業してからフリーランスを、一人暮らしでやっていくのであれば月30万円の収入を確保する、というのが通過点ですね(もちろん、いきなりフリーランス1本でできない場合は、アルバイトを組み合わせるとか、自分なりの方法を模索すべきです)。

 

では、この日本でのフリーランスの考え方を敷衍して、海外、特にヨーロッパでのフリーランスの稼ぎについて考えてみることにしましょう。

 

ここで「敷衍」と言っているのは、日本とヨーロッパ諸国では税制や税率、社会保障制度の仕組みやフォロー範囲が個別に違っているため、日本の考え方をそのまま100%当てはめることはできない、ということです。

ただ、個別のケースを各国で考えていくとキリがないので、今回は「日本でのフリーランスのフレームワークを便宜上採用してみる」ことにします。

 

まずは住みたい国の平均賃金を調べる

まず、自分が住みたい国の平均賃金を調べることから始めましょう。これをすることで「海外フリーランスをするのにどれくらいの稼ぐ力(マネタイズ力)が必要か」がはっきりして、そこから逆算してスキル開拓や仕組み作りをしていけばいいことになりますから。

ヨーロッパ諸国の平均賃金を調べる方法は色々とありますが、今回はGoogleで「european countries average wage」と入力してヒットしたウィキペディアの情報を参照してみます。

 

ヨーロッパの国も数十カ国ありますが、今回は「ワーキングホリデーができる国」「フリーランスビザが降りやすい・起業がしやすいと言われている国」という条件で、様々な地域からまんべんなく選んでみます。

※ウィキペディアには「グロス(税引き前収入・いわゆる額面)」と「ネット(税引き後収入・いわゆる手取り)」の2つの情報があるので、それぞれ掲載しています。

※為替レートは2018年3月下旬の、1ユーロ=約130円で計算しました

 

①欧州一物価の高いノルウェー(ワーキングホリデー可)

まずは、日本にとって「理想郷」として見られている北欧諸国の中から、ヨーロッパで一番物価が高いノルウェーの情報を確認してみましょう。

・グロス:4155ユーロ(約53万8000円)

・ネット:3309ユーロ(約42万9000円)

 

②お金を払えばフリーランスビザを取得できるオランダ

オランダは、ワーキングホリデー制度はありませんが、4500ユーロほど払えばフリーランスビザを取得できる国です。

・グロス:2855ユーロ(約37万円)

・ネット:2155ユーロ(約27万9000円)

個人的な乾燥ですが、ネットの平均額が20万円台というのが驚きです。中央値を取らないと、より厳密なデータは得られないのだと思いますが、とりあえずこのデータを使います。

 

③フリーランスビザが比較的取りやすいドイツ(ワーホリ有)

ドイツはヨーロッパの牽引国。フリーランスビザも取りやすいと言われており、ワーキングホリデーも使えます。

・グロス:3703ユーロ(約48万円)

・ネット:2270ユーロ(約29万4000円)

 

④東欧で一番勢いのあるポーランド(ワーホリ有)

僕も住んだことのあるポーランドは、西欧諸国と比べるとやはり平均賃金は低いようです。

・グロス:1102ユーロ(約14万2000円)

・ネット:951ユーロ(約12万3000円)

 

⑤南欧代表としてスペイン(ワーホリ有)

・グロス:2189ユーロ(約28万3000円)

・ネット:1749ユーロ(約22万6000円)

 

※出典:List of European countries by average wage

 

これらのデータをどう活用するか

さて、5カ国のデータが出そろいました。グロスの額は大きいのにネットになると相当減っていたり、逆に、グロスはそこまで大きくないけれど、ネットの額はそこまで減っていない国もあります。

 

ここから、これらのデータをどうやって活用して分析していくかの話になるのですが、グロスの金額を参考にするのか、ネットの金額を参考にするのか、という話がまず出てきます。

これについては、現地に根を張って生活をしている(国際結婚をしている、現地で納税をしている)場合はグロスの金額を、一方で、ワーホリを使っての短期滞在(日本で納税をしたまま、あるいはパーマネントトラベラーとして納税していない)などの場合は、ネットの金額を参考にするといいでしょう。

 

海外フリーランスは「会社員の1.5倍」稼いでトントンなのか

基本的に、海外フリーランスをする場合でも、「現地の会社員が稼ぐ金額の1.5倍の金額を稼いで、価値はトントン」と考えるのがいいでしょう。

納税の有無で考え方が変わりますが、例えばワーホリでドイツにいるのなら、ネットで約30万円ですから、この1.5倍だと45万円相当の月収を確保できれば、十分に良い暮らしができると考えてよいと思います。

(ワーホリの場合独身が条件になりますから、家族もいない、子どももいない状態であれば、ネットの値と同じ程度の収入を得るだけでも十分と考えることもできます。45万円相当の月収があれば、色んなところに旅して、色んな食事をして色んな経験をして、見聞が広がる速度が異常に速くなるでしょう)

 

ただ、現地で結婚をしていて共働き、あるいは子どもがいて養育費がかかる、というような、「固定費」がかさむ場合は、日本同様に1.5倍ほどの収入を確保するのは、考え方の1つの基準として参考になります。

(とは言うものの、国によっては大学まで教育費が無償の場合などもあって、その分税負担の割合や金額が変わってくるので、なかなか一括りに話をすることができませんが)

 

とりあえず、フリーランスのベースラインとしては「現地平均賃金のネットと同じ~1.5倍ほどの月収を確保する」という考え方をスタンダードにしておくのが、万が一のトラブルの時も安心と言えるでしょう。

 

ただ、これには1つ落とし穴があります。

それは、「海外で長期生活をするのに、現地人と同じ金銭感覚で生活を送れるのか」ということです。

 

何も「金銭感覚」に限ったことではないのですが、海外で長期間(最低でも1年ほど)生活するということは、

・現地の食生活に身体を馴染ませて

・日本語が使えない(英語と現地語、英語が通じない場合だってある)環境に身を置いて

・危機管理のためにお金で安全を買う必要がある場合だってある

という、日本にいる時よりも確実に「生活のハードル」は上がることになります。

 

普段、日本で白米やうどん、植物性タンパク質を主に摂取している生活から、パンやパスタ、動物性タンパク質を主に摂取する生活に変わったり、緯度の関係で日照時間が極端に長い、あるいは短い季節も生活をして、現地の人なら公共の交通機関を使うところを、わざわざタクシーを使って移動するような、「普通に日本で生活をする」時とは、お金、身体、精神の、いずれかに負担がかかる生活を送る可能性が(本人は気づかないかもしれませんが)高いのです。

 

実際、僕はポーランドにいるときも、できるだけ日本のものに似た食生活を送るために、麺類やお米を使った料理をベースにして、現地の脂っこい料理はあまり食べないようにしていました(たまに食べる分には美味しいのですが、毎日食べると胃と舌が受け付けなくなるのです)。

 

また、僕の場合はポーランド語である程度のコミュニケーションが取れるので、バスや地下鉄を使うこともザラにありましたが、住む場所や移動の時間帯によっては、Uberやタクシーを使うほうが安全・安心・確実なときだって多いでしょう。

 

そういうことまで考えると、海外でフリーランスをして生活をする場合、日本と同じように「会社員の1.5倍」の収入を得るだけでも、不十分な場合だって生じる可能性が十分にあると言えます(怪我をしたとき、病気になったときの医療機関の利用などでも、費用がかさむことだってあるでしょう)。

 

ということは、環境や条件にもよりますが、「会社員の1.5倍」の稼ぎを得るだけでも、海外フリーランスの収入としては不十分と考えることだってできます。フリーランスの場合、「どこまで稼げればいいのか」は本人が決めればいいのですが、「万が一」のことを考える、あるいは「QOLを高める」と言う意味では、現地の平均賃金の1.5倍~2倍ほどの収入を確保できれば、ひとまず安心した状態と言えるのではないでしょうか。

(平均賃金は、あらゆる世代の平均値のため、より厳密な金額を知るには、あなたと同じ世代の平均賃金のデータを調べるのが確実です)

 

本物の「海外フリーランス」になるなら、平均の2倍前後稼ごう

「海外フリーランス」というのは、今や20代を中心に「ブーム」になりつつありますが、フリーランスとしてファッションではなくきちんと結果を残す(残し続ける)のであれば、兎にも角にも、顧客に対して価値提供をしで、居住国の平均賃金の2倍ほどは稼がないと、意味がないと言えるのではないでしょうか。

 

海外・国内を問わず、フリーランスというのは「仕事も経理もできる、一人社長」みたいなものです(自分を指揮しながら、前線で戦う兵士のイメージです)。そのためには、自分のスキルを磨く、スキルの横展開を考えて取り組む、営業をして顧客開拓をする、きちんと売上を確保してお金に強くなる、ということが「全て」一人でできる必要があります。

 

そこまでできてようやく「一人前」といえるのがフリーランスですから、これから海外フリーランスになろうとしている方は、冷静に考えて実現可能なのかどうか、挑戦するのであればいつまでにどれくらい、どんなビジネスモデルでフリーランスをしていくのか、ということも含めて、地に足を付けて考えて、行動していって下さい。

 

今はやりの、SNSでイケている感じを出しているだけでは、フリーランスの土俵にすら上がれていないことを、冷静に受け止めて下さいね。

 

 

孤独にフリーランスとして人並み以上の稼ぎを得るには

僕は2016年の夏から海外で暮らし始め、2019年の春現在で2ヶ国3都市で暮らした経験を持っています。現地で人と会うことはありますが、仕事は基本的に1人で部屋に引き籠もってしています。

 

これまで、あまり自分の仕事のノウハウや事業内容についてはおおっぴらにしてこなかったのですが、最近のオンラインサロンといった、「フリーランスまがい」の活動をしている人が増えすぎているのに危機感を覚えてきたので、こちらの記事で全て公開することにしました。

 

【群れずに生きる】フリーランスとしてヨーロッパに暮らす僕の事業内容を全てシェアします

 

群れて生きるか群れずに生きるかは、突き詰めると「生き方の違い」なので比較できませんが、せっかくフリーランスとして生きることを選んだのであれば、まずはきちんとスキルを身につけて、クライアントワークをこなしながら事業の多角展開をしていくのが、長期的に考えると得策なんじゃないかと思います。

 

では今回は、これで。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

関連記事

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

おすすめカテゴリー記事

2007年1月
    3月 »
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031  

記事の編集ページから「おすすめ記事」を複数選択してください。